赤ちゃんの離乳食が始まる前の栄養指導の際に与えてはいけない食材を教えてもらいますが、その代表例がハチミツです。
育児書やネットの情報にも良く登場するハチミツですので、多くのママがハチミツだけは気を付けているのではないでしょうか。
今回はなぜ赤ちゃんにはちみつを与えてはいけないのか?与えると、どういう病気を引き起こすのかを紹介したいと思います。
この記事の目次
ハチミツと乳児ボツリヌス症
ハチミツはダメ!という事は分かっていてもなぜダメなのか?と疑問に思うママもいるのではないでしょうか。
満1歳未満の赤ちゃんがハチミツを摂取すると乳児ボツリヌス症という病気を発症する可能性があります。
大人でもハチミツによる食中毒が原因でボツリヌス症を発症することがありますが、乳児ボツリヌス症とは発症する経緯が違うため、区別されています。
乳児ボツリヌス症を発症するまで
1歳未満の赤ちゃんは腸や内臓が未発達のため、ハチミツに含まれる芽胞を摂取することで、腸内で菌を発育、増殖させ乳児ボツリヌス症を発症してしまいます。
大人の場合はすでに発育、増殖している菌によってボツリヌス症を発症するので区別されていますが、どちらも重篤な症状になる場合があるので、注意しておきましょう。
乳児ボツリヌス症の症状
乳児ボツリヌス症の最初の症状として、ひどい便秘があげられます。
その後、以下のような症状が出ます。
- 全身の筋力の低下
- 哺乳力が弱くなる
- 鳴き声が小さくなる
- 無表情
- 頸部筋肉の弛緩(頭部を支えれなくなる)
など、ボツリヌス症状と同じような症状がでます。
また、便秘のため1、2か月と長期間にわたり便にボツリヌス菌が含まれることもあります。
ボツリヌス菌に感染した便から二次感染をすることがありますので、注意をする必要があります。
ハチミツを摂取した可能性があり、上記のような便秘症状がある場合はすぐにかかりつけの小児科を受診するようにしましょう。
便の検査で乳児ボツリヌス症に感染しているかを調べることができます。
注意点
100度以上で加熱してもボツリヌス菌は消えないと言われています。
加熱すれば大丈夫だろうと、お菓子作りの際などに混ぜて使用したりしないようにしましょう。
やはり、満1歳未満の赤ちゃんには与えないということをしっかりと守る必要があります。
また、大人が食べるような市販のお菓子などにも含まれている場合がありますので、もし赤ちゃんに与える場合は原材料をしっかりと確認して与えるようにしましょう。
乳児ボツリヌス症の死亡例
2017年3月30日に国内で初めて乳児ボツリヌス症で男児が死亡しました。
乳児ボツリヌス症になった原因はハチミツを与えたことだと考えられています。
せき・鼻水などを発症した後、けいれんや呼吸不全を起こして亡くなりました。
まとめ
最近では、しっかりとママへの指導がされているおかげで、ハチミツを積極的に与えるママはいないと思いますが、子供はひょんなことからハチミツを摂取してしまう可能性もあります。
家庭においても、ハチミツを誤って食べてしまう事がないように、しっかりと管理するようにしましょう。
もし、赤ちゃんが口にした可能性がある場合は、赤ちゃんの様子を観察し、上記の症状が無い場合でも心配でしたらかかりつけの小児科に相談するといいでしょう。